久しぶりにカラダについて書きます。
整骨院を開業する以前の過去のブログとかを閲覧してくれる人がたまにいて、ありがたいけどビックリします。昔ほど身体について書かなくなったのには理由があります。それは仕事をしている時、患者さんにそういう話をいっぱいしているのでネット上に書き込む理由が見つからなかったから。
当時は伝えたいことがあってもアウトプットする場所がなかったから、誰かに伝わればいいやとネットに情報や知識を書き込んでいた。たぶん独り言に近かったんだけど。言っているだけで落ち着いて、自分で自分を納得させていたんだ。
今は整骨院があるから、伝えたい人にそのまま言える。当時と違って、情報や知識を余すことなく患者さんに伝えられる。そうするとリアクションとか体調をみることでその人にインプットされているかどうかが分かるから面白い。その逆に、誰が見ているかわからないネットへの書き込みは疎かになっていたのだ。あとは身体のことって同業者が見ることが多いから面倒という単純な理由もある。
でも案外、患者さんで見ている人が多かった。これは自分への注目度が当時よりは大きくなって、かつては独り言だった発言が市民権を得るようになってきたからだ。もちろんネットに書くことだからいい加減な事は言えない。ここでは今までの分析結果を発表する場にしたいと思う。分析とは見えない関係を見つけることだ。身体について分析することで新たな発見をするって面白い。特に最近は肋骨が面白い。
肋骨の位置って人によって全然違う。たぶんあまり意識することは無いと思うが、実は傾いている人がとても多い。その傾き方で腰痛や膝の痛みや首の痛みが出現する。それに加えて、胸郭(肋骨・胸骨・胸椎で構成される胸の空間)の中にある臓器が苦しくなる。心臓や肺が圧迫されるので、息苦しさや寝苦しさになるのだ。そして背骨は肋骨とくっついているので、肋骨の傾きは背骨の痛みにもつながる。例えば胸郭が左側に移動している時って右足に体重をかけないようにしている事が多い。つまり右肩が下方からの支持が無い事で、右肩の痛みとして来院する。でもそれは足が原因で出現している症状なのだ。
よく患者さんに言う事だが、30個くらいの小さな痛みの集積が1つの痛みになっている事ってよくある。
僕が個人的に行った肋骨分析の結果、そのようなパッとは見えない、分かりにくい関連性が見つかった。それからまた、その分析を元に治療方法を「研究」するのだ。最近では足の施術をすることで肋骨の位置が動くことが分かった。
良い例として首の痛みが前年の背中の痛みに由来していて、その背中の痛みは3年前の仙腸関節の痛みに由来していて、そしてそこは左の足根関節の捻挫によるというケースがある。左足で踏ん張れなくなり、骨盤が傾き、肋骨もそれ準ずる。そしてそれが背中の痛みや首の傾斜となって顕在化する。ややこしいようだけど、結局身体の痛みはしつこければしつこいほどこのような複雑な経過をたどる。a=bではなく、a=b+c+d+e+…という具合に。
毎日、治療をしていて面白い点はこの原因を探す作業にある。数学の問題を解くみたいで面白い。公式を当てはめて、問題を解くように。とか、書いちゃうと「不謹慎だ」と怒られそうですが、要するに頭を使いながら治療を進めているということだ。そして緩解していけばその公式で正しかったという事になるし、芳しくなかったらその公式は間違えているという事になる。だったらそれ以外の公式を当て嵌めていくという作業を繰り返すのだ。その精度を上げていく事が、さこう整骨院のパラダイムとなっていく。そしてその仕組みは人に伝えやすい形となるので、スタッフや患者さんにシェアされていく。
以前、尊敬する料理人の方に言われたことがある。それは「医療はシェアされるから素晴らしい」ということだ。人に伝える事を目的とした専門知識の追求。それこそが医療のあるべき姿の一つなのかもしれません。