初のトライアスロン参加

投稿日:2019年11月16日

初のトライアスロン参加

16 11月 , 2019,
arome_de_lalcool
No Comments

2019年11月3日。はじめてトライアスロンに参加した。

佐伯市で行われる上浦トライアスロン。SWIN500ⅿ・BIKE28㎞・RUN5㎞の初心者向けコースだ。

といっても、決して簡単ではない。そもそも泳ぐことが昔からめちゃめちゃ苦手な僕。

自転車とランはなんてことない距離だが、海を500ⅿ泳ぐって…超コワイ。

 

 

だから2か月前から、大分市営プールで水泳の練習をし続けた。コーチがいないから、Youtubeでクロールの泳ぎ方を基礎から学んだ。こういう仕事をしているお陰なのか動画のクロールの動きの意図を理解し、思っていたよりスムーズに練習がはかどった。動画って本当に便利。なんのスポーツをするにも体幹って大事なのだと改めて思ったりした。なんとかプールの中だと500m泳げるようになった。あとは筋トレのメニューを増やした。ネットで調べると、どうやらトライアスロンは筋肉の消耗が非常に激しいことがわかった。そのために2か月間、酒も抜いてみた。筋肉と肝臓(エネルギー貯蔵庫)にやさしい環境を整えることに尽力した。(結論から言うと、筋肉の消耗はかなり激しかったし、後半でもエネルギー切れを起こすことはありませんでした)

 

いざ本番。はっきりいって自転車とRUNの練習はほとんどしていない。気分転換程度しか練習していない。でも、この2つには揺るぎない自信があった。だって今までず~っと練習している。しかし、その自信がゼロになりそうなほどに、SWIMがコワイ。会場について実際に500mという距離を目の当たりにした。おいおい…これ全部泳ぐんか…。苦手なことだから、実際よりも距離が長く感じるのであろう。でもすでに現場まで来ているし、逃げ場なんてどこにもない。恐怖で心拍数が少し上がったのを感じた。

スタート前に参加者全員で記念撮影をし、早々とスタートの合図が鳴った。皆が一斉に海に飛び込む。僕は後方から入水する。ビギナーが前の方にいると速い人たちの邪魔になるだろうという配慮。それと泳ぐときは前ばかり見ているとフォームが崩れるので下を向いている時間がおのずと長くなる。そのため、視野が狭くなるゆえに周囲の人とぶつかることがよくあるらしいのだ。最初の3分の1、クロールをしながら頭で色々と考える。このフォームでいいかな?ペース配分は?呼吸はしっかりできているか?など。しかし途中から、異変が生じる。腕が疲れ、息が苦しくなる。どう考えてもフォームが雑になっていると感じる。焦りが不安に変わり、徐々に恐怖へと移行する。さっきから前に進んでいないような気がしてくる。周りに誰もいない気がして、独り取り残されている心持になる。つらい。しかし、いつものプールのようにホッと一息つける足がつく床なんてない。目の前には漆黒の深い海底が口をあけている。ライフセーバーに助けを呼びたくなる。誰か助けて!そんな時、一回水面に仰向けになって息を整えた。深呼吸って大事だな。焦りや恐怖などマイナスの感情はいつも、弱気になった狭い視野の自分から発していることを、大人(35歳)だからもう知っている。できるだけ俯瞰で自分を見つめようと努力する。

そこから先は体が覚えているフォームだけを頼りにただただ泳ぐ。ゆっくりと、手を前に伸ばし、体の方へ引き寄せる。いつものあのリズムだ。1・2・3…と、動画を思い出し、確実に前に進むことだけを意識する。市営プールでやってきたことだけを思い出す。だってそれしかないから。この瞬間にできるのは今までやってきたことしかできない。単純で心細くて情けないけど、本当にそれしか前に進める材料がないのだ。

 

残り3分の一になる。浜辺が見え、終わりが見えてきた。その時に自分を支えるのは奥底にあるドロドロとした煮詰まった感情だ。

そういえば2か月間、禁酒したなぁ…

仕事が忙しいのに週5でジムやプールに通ったなぁ…

ここまできてリタイヤしてたくない。

はやく得意な自転車に乗って、前にいる人たちをぶち抜きたい!

という、心の底に澱んだ感情で手を動かして前に進む。やっと足が地面に着いた。振り返ったら数える程度の人しかいない。どうやらだいぶ遅れをとったようだ。

しかし心は踊っている。次は陸での戦いだ。水中とは違い、酸素がいっぱいある。ここから巻き返しをはかる。

 トライアスロン

自転車にまたがり、ビンディングをはめる。カチッという音が耳に心地いい。

「やっと会えたね…( *´艸`)」 遠距離恋愛の恋人に久しぶりに会えたような、言い得ぬ幸せな感情になる。そこからとりあえず、28㎞で15人くらいぶち抜く。その時の様子を一言でいうと「猛追」。

筋肉の喜ぶ声が聞こえるようだ。これこれ!っていう感じ。自転車という非常に強いホームアドバンテージを十分に活かせた。「どけどけ!スイマーども!!」苦手なSWIMから慣れた自転車に乗ることで、初めて会う野蛮な自分に出会えた。

 

次はRUN。ここでも5㎞以内に15人くらいぶち抜く。泳ぐことに比べれば走る苦しさなんて可愛いものだ。中距離走のようなペースで、ゴール手前の100mで一気に5人くらい抜く。体は重いが、水中に比べれば羽が生えているようだ。だって酸素があるから。あらためて陸上の酸素がたっぷりある当たり前のありがたさを感じた。ついにゴール。シュートコースといえど、達成感がすさまじい。SWIMで大きく後れをとり、BIKEとRUNで巻き返すカタルシスにしばし酔いしれる。

着替えて一息ついたのちに、海を眺める。達成感もあるけれど、冷静な自分もいて、

「しかし正式のトライアスロンはこの3倍(1.5㎞)泳ぐのか…」と海を見ながら考える。また練習しないとな。水中の怖さが身に染みた。

得意なことを追求するのもいいけど、苦手なことを達成するその喜びによって脳内がスパークする。その脳内スパークは、いったい今後の人生であと何度訪れるのであろう。何歳になっても挑戦することの重要さに気付いたそんな大会だった。

タイムは1時間24分59秒。結果は63人中24位。

 

あれ?とタイムを見たときに思う。RUNはおそらく30分くらい(時速10㎞)かかるはず。そしてBIKEは40分くらい(時速40㎞)かかる計算だった。

てことは、SWIMは15分くらいしか無かったってこと?あんなに苦しい15分は生まれて初めてだ。まさに相対性理論。アインシュタイン先生。

まぁ初参加にしては思っていたより順位もタイムも良かったです。

 1トライアスロン

 

2019年、気分よく年を越せそうです。

スタッフの皆さま、ありがとうございました。